
皆さんは、旗とのぼりの違いってわかりますか?校庭や競技場でポールに掲揚されていたりバスガイドさんが手に持っているのが旗で、飲食店のメニューなどがプリントされていてお店の出入り口付近に立てられているのがのぼりというように、なんとなくの違いは分かるという方は多いと思います。しかし、旗とのぼりには明確な違いがあり、それぞれ異なる用途・役割で使われる道具であるということを詳しく説明できる方は少ないのではないでしょうか。この記事では、旗とのぼりの違いを分かりやすく解説し、その奥深さについてもご紹介したいと思います!
目次
旗とのぼりの形状の違い
旗とのぼりの違いで最も分かりやすいのは形状です。旗は正方形や横長の長方形が多いのに対し、のぼりは縦に細長い形をしています。これは、旗が風にはためき、デザイン全体を見せることを目的としている一方で、のぼりは風になびかせてのぼりに名入れプリントしてある文字や絵柄を遠くからでも認識できるようにすることを目的としているからです。
旗の形状
正方形や横長の長方形が多い。風を受けてはためき、旗全体の色やデザインによって視覚的なインパクトを与えます。
のぼりの形状
縦に細長い形状は風になびくことで、より強調され、名入れプリントされた文字や絵柄が遠くからでも認識しやすくなります。
旗とのぼりの構造と設置方法の違い
旗とのぼりは構造的な部分でもそれぞれ特徴が異なります。各々のアイテムの構造の違いを理解することは、オリジナルの旗やのぼりを製作する際にも大いに役立ちます。旗やのぼりを設置する環境に合わせて、ちょっとした工夫をすることで、各々のアイテムの特徴を最大限に活かした、耐久性にも優れたオリジナルの旗やのぼりを製作することができます。
旗の構造と設置方法
主に綿・ポリエステル・アクリル・ビニールなどが多く使われる傾向にあります。旗は基本的に1辺のみを固定してはためかせます。旗はのぼりと比べて多用途で使われるため、使い方によって最適な仕様も異なります。例えば、旗にハトメ(穴)を開けておけば、そこに紐を通してポールに結んだり、画鋲やピンを使って壁や柱などに固定したい場合にも便利です。尚、同様の結び方は端の部分に紐を取り付けた旗でも可能です。オリジナルの旗を製作する際には、旗を設置する環境を想定して作るとより快適に旗を掲揚・掲示することができるのでオススメです。
のぼりの構造と設置方法
素材はポリエステル素材が最も一般的。縦長長方形が基本形状で、長辺と上辺の2辺には輪っか状・袋状の『チチ』と呼ばれるものが付いており、それをポールや竿に通すことで固定します。ポールや竿にはスチールやプラスチックなどが用いられることが多いです。また、のぼりを固定するための土台には水を入れて重りにする注水台や、鉄製で重量と安定感がある、のぼり用の土台が多く使われる傾向にあります。
旗とのぼりの用途の違い
前述した通り、形状の違いから派生して、旗とのぼりでは最適な用途も各々で異なります。旗は主にシンボルとしての役割を担い、国や団体、企業のアイデンティティを表します。一方、のぼりは具体的な情報を伝えるためのツールとして、宣伝や告知、イベントなどで活躍します。
旗の用途
国旗・軍旗・社旗・信号旗・国旗のように、シンボリックな役割を担うことが多いです。
のぼりの用途
お店の開店告知や宣伝・お祭りやイベントの案内・選挙の立候補者宣伝など、特定の文字やイラスト・写真などの情報を具体的に伝える役割を担っています。
日本における旗とのぼりの歴史
日本における旗とのぼりの歴史は古く、その起源は平安時代にまで遡るといわれています。当時の合戦において、敵味方を識別するために、棒に自軍の印をつけた旗を掲げたのがのぼり旗の始まりとされています。戦国時代の戦の現場ではもちろん、寺社仏閣で宗教的な儀式や祭礼を行う際にも旗やのぼりは用いられていたといわれています。その後、戦が減り、平和な江戸時代に入ると、のぼり旗は武家のものだけでなく、商家の宣伝や目印としても使われるようになりました。店舗の軒先に掲げられたのぼり旗は、商品やサービスをアピールする役割を担いました。このように時代とともに、旗とのぼりの用途は広がり、現在のように様々な場面で活躍されるようになっていったのです。
旗とのぼりの文化的な側面
日本においても、旗とのぼりは文化的に深く根付いています。例えば、鯉のぼりは、子どもの成長を祝う伝統的なのぼりであり、端午の節句には欠かせないアイテムです。また、全国各地のお祭りでは、様々なデザインののぼりが街を彩り、賑やかにお祭りの雰囲気を盛り上げます。
まとめ
旗とのぼりは、一見似ているようで、形状、用途、設置方法なども大きく異なります。それぞれの特性を理解することで、より効果的に活用できるはずです。街で見かけた旗やのぼりを、この記事の内容を思い出しながら観察すれば、きっと、今までとは違った視点で、旗とのぼりの存在意義を感じることができるはずです。