
道路工事やイベント会場などで、人々の安全な通行を確保するために欠かせないのが交通誘導です。そして、交通誘導において重要な役割を担うのが手旗信号です。この記事では、手旗信号の基本から実践的なテクニック、そして安全対策まで、分かりやすく解説します。日常的に自動車を運転されている一般のドライバーさんから、交通誘導に携わっている方まで、ぜひ参考にしてください。
目次
交通誘導に使用する手旗の基本情報
交通誘導には誘導旗(手旗)と呼ばれる「赤い旗」と「白い旗」がそれぞれ1本ずつ使用されます。
それぞれ「赤い旗」は停止、「白い旗」は進行という意味を表します。
左手には「赤い旗」を、右手には「白い旗」を持つことが基本ですが、場合によっては左右持ちかえることもあります。
尚、使用する旗のサイズについては、特に規定はありませんが、扱いやすくてドライバーにも認識してもらえるサイズということで『縦約50~70cm×横約50~70cm』サイズの手旗が多く使用される傾向にあります。
基本的な手旗信号の合図
基本の姿勢
基本姿勢はいわゆる気をつけの姿勢です。
かかとを軽く接し、ひざを伸ばし「赤い旗」「白い旗」を下に向けます。
左右を見る場合は、上体はねじらずに頭だけをその方向へ向けます。
進行の合図
- 誘導対象となる車両の進行方向と平行になるように体の向きを合わせる。
- 進行方向に人や車両の通行がないことを確認する。
- 停止を意味する「赤い旗」を降ろす。
- 停止中の誘導対象の車両に向けて、「白い旗」を持った腕を伸ばしたまま水平に上げる。その時にドライバーへ一礼する。
- 「白い旗」を持った腕を、肘を曲げずに、自分の前方下側を通して反対側の下方45度の位置まで振る。
※旗を振るのと同時に、車を流した方向を見てしっかり流れているかを確認する。 - 再び「白い旗」を持った腕を、元の位置に戻し水平にする。
- 「5」の動作をゆっくり繰り返す。
停止の合図
- 誘導対象となる車両と正対する。
- 誘導対象となる車両を注視して、「赤い旗」を持った手を側頭部に垂直に上げる。
- 掲げた「赤い旗」を約30cm幅で左右に振り『停止の予告』をする。
- 『停止の予告』をしている「赤い旗」を90度(肩の高さまで)降ろし水平に保つ。
※「4」の動作をした後に、ドライバーにお辞儀をして協力への感謝を示す。 - 「4」の状態を保っている間は『停止の合図』が継続します。
徐行の合図
- 誘導対象となる車両の進行方向と平行になるように体の向きを合わせる。
- 手の甲が上になるように「白い旗」を持ち、肩の高さと水平の位置まで上げて伸ばす。
- 手首のスナップを利用して白旗を上下に少しだけ振る。車両が通過するまで、「白い旗」の位置は維持する。
後進の合図
- 誘導対象となる車両の進行方向と平行になるように体の向きを合わせる。
- 誘導対象となる車両が下がる位置の目印になるように「赤い旗」を自分の前方にまっすぐ伸ばす。
- 車両側に持った「白い旗」を、誘導対象となる車両の進行方向の安全確認をした後、掛け声をあげながら白旗を進行方向に振る。
- 誘導対象となる車両と安全な距離を保ちながら、目的の位置まで誘導します。
幅寄せの合図
- 体は誘導対象となる車両に対してやや斜めの向きを合わせる。
- 《車両から見て右側に寄せる場合》右手に持った「白い旗」を垂直に上げて頭上に掲げる。車両を注視しながら左の肩のラインまでしっかりと振り下ろす。
- 《車両から見て左側に寄せる場合》左手に持った「白い旗」を垂直に上げて頭上に掲げる。車両を注視しながら右の肩のラインまでしっかりと振り下ろす。
実践で役立つ合図のポイントや注意点
ドライバーとのアイコンタクト
発信している合図がダライバーにしっかりと伝わっているかを確認するためにも、アイコンタクトはとても重要です。合図をだしている間は常にアイコンタクトをとるように心掛けましょう。
大きくはっきりとした動作
合図を送る際は、大きくはっきりとした動作をするように心掛けましょう。自分では少し大げさかなと思うくらいの動作がドライバーにとっては丁度わかりやすかったりもします。大きくはっきりとした動作の交通誘導はとても認識しやすく、事故やトラブルの回避にも大きく貢献します。
声がけ
動作と並行して、大きな声で指示を出すことで、よりドライバーに指示の内容が明確に伝わり、安全な交通誘導を実現することができます。特に騒音が大きい場所では大きな声で指示を出すように心掛けましょう。
複数人で連携する
同じ現場に自分以外にも複数人誘導員が居る場合は、お互いの合図を確認して、連携を取りながら誘導を行うと、より安全で効率の良い誘導を実現することができます。
より安全に交通誘導を行うために
周囲の状況に気を配る
交通誘導を行う際は、誘導対象となる車両だけではなく、歩行者をはじめとした周囲の状況に広く気を配るように心掛けましょう。常に周囲の状況を確認し、危険を予測することで事故を未然に防ぐことができます。交通誘導中はどうしても誘導対象の車両に意識が集中しがちですが、より安全で事故やトラブルの少ない交通誘導を実現するためには、周囲の状況への気配りは欠かすことができません。
危険予知トレーニング
定期的に危険予知トレーニングを実施することで、安全意識が向上して、より安全性の高い交通誘導を行うことができます。
緊急時の対応
事故が発生した場合などの緊急時に備えて準備やシミュレーションをしておくことはとても大切です。万が一、事故が発生した場合は、速やかに警察や消防に通報することで二次災害を防止して、被害を最小限にとどめるように努めましょう。
服装や装備
安全靴やヘルメットなど、交通誘導を行う際に必須の装備以外にも、現場や状況に応じて服装や装備を整えることで、より安全な交通誘導を行うことができます。例えば、視界が悪くなる夜間や雨天時は、反射ベストやヘッドライトを着用することで視認性が高くなり、誘導員とドライバー両者の安全性が高まります。
まとめ
手旗信号による交通誘導は、人々の安全を守る上で非常に重要な役割を果たしています。この記事で紹介した知識やテクニックを参考にすることで、交通誘導する側も、される側も、一人でも多くの方に、安全で円滑な交通誘導に貢献してもらえればと思います。尚、キラメック旗・幕では、お客様のご要望に応じたサイズの誘導旗(手旗)をご用意することが可能ですので、どなた様もまずはお気軽にお問い合わせください。